誤発声
このホームページ作成費の一部に、
赤い羽根共同募金のお金をあてています。
誤発声
誤発声には口腔囁語(こうくうじご)と咽頭発声の二種類がありますが、どちらも本来の食道発声とは音の作り方および作る場所が違います。どちらの発声も自己流の発声練習によって誤発声に陥るのが一般的です。
■ 特 徴
(1) 口腔囁語
- 空気を取り入れることなく、いくつかの子音を口の前の方、口唇や舌の構音機構だけで出す発声法で囁くような食道発声と語発声音です。
- 空気もなく母音が欠けるために音が弱く声になりません。
- 多くの場合は入院中、口の動きや顔の表情などで看護師や家族に通じるのでそのまま癖になってしまったケースが多く自己流で始めた人に多く見られます。
(2) 咽頭発声
- 舌根と軟口蓋の間で音を作り発声する方法です。咽頭からの発声で音自体は出ていますが聞く側には誤って聞こえる音が多く聞き取りにくいです。
- 舌根を上下に動かし、上顎に空気をぶつけて口の中の空気だけで力を入れて音にする発声方法です。
- 単音のとき、食道発声の「あ」を間違って咽頭で出していても分かりにくく、そのまま練習してしまうと癖になり直りにくいのです。
- 「あ」が「かっ」に、「あめ」が「かめ」に聞こえます。「あ」「い」「う」「え」「お」
の母音が「カッ」「キッ」「クッ」「ケッ」「コッ」に聞こえます。
(3) 共通点
- 食道まで空気を入れたつもりでも、その空気を使うことができず、空気が戻らないため母音が出ません。また食道発声で音が作られるべき頸部(新声門)が振動しません。顔の見えない電話などではほとんど通じません。
- 最初の原音が正しい食道発声か誤発声か指導員に見極めてもらうことが 大切です。不幸にも、誤発声になってしまった場合には、正しい発声が出来るまでは筆談にしてお茶のみ法で根気良く食道に空気を入れることを練習することが肝要です。
■ 誤発声にならない為に
- 原音の段階で正しい食道発声か誤発声かを指導員に聞き分けてもらう。
- 空気が入っていないのに無理に何度も続けて声をださない。
- 食道再建者は必ず頚部を押さえて原音発声練習をする。
- 力み過ぎると咽頭発声になり易いので小さな声からスタートする。
(公益社団法人 銀鈴会ホームページより出典)