食道再建手術とは


空腸移植
・約30 cmの空腸(小腸)を切除し、実際に使用する部分は10 cmぐらいです。(左図)
・下咽頭や頸部食道の悪い所を摘出後の欠損部に、採取した空腸の上下を縫い合わせます。血管の吻合も行われます。(右図)

空腸移植

胃吊り上げ
・胃を左図のように切除して、充分に吊り上げ出来るように細い胃管を作ります。
・病気の範囲の広い時、食道を全部抜き取って、取り除きます。(中央図)
・作成した胃管を上方に吊り上げて、咽頭部に縫い付けます。

胃吊り上げ

皮膚管移植(大胸筋)
・右側の大胸筋で、図のような皮膚管を作ります。
・皮膚管を、病巣のあった下咽頭、頸部食道部を切除したあとの欠損部に縫い付けます。
・切開して持ち上げていた皮膚弁を元の位置に戻して、再建食道をおおいます。

図と説明文:「食道発声指導の手ほどき」  高藤次夫 著 より

食道再建者の特徴と発声の仕方

食道の入口部、括約筋を摘出しているため、単純喉摘者が新声門とする食道入口部の狭い部分がありません。また、頸部を押さえないと声が出にくく、効率よく振動して声を出すことが難しいという難点があります。そのため、発声時に頸部を指で押えて狭い部分を作り、振動部を作る必要があります。

(公益社団法人 銀鈴会ホームページより出典)